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理事長挨拶Greeting


 日本腰痛学会理事長の紺野愼一です。腰痛の診断と治療は必ずしも容易ではありません。特に慢性腰痛は1つの臨床的な疾患や診断ではなく、多様な損傷や障害をもつ患者が訴える1つの症状に過ぎないと捉える必要があります。慢性腰痛には、家庭や職場でのストレスが深く関与しています。したがって、治療するうえでは患者さんによっては、家庭や職場での問題点を探ることも必要です。慢性腰痛の2/3に他の慢性疼痛症伏が合併し、1/3に診断可能な精神科疾患や薬物乱用の問題が存在しているという報告があります。さらに、脊椎の慢性疼痛と活動障害との関連の1/3は、合併している疾患によって説明可能、ともいわれています。つまり、慢性腰痛は単独の「腰の病気」と捉えるべきではありません。慢性腰痛は「不健康」という全体像の一部という捉え方が必要です。
 日本腰痛学会は一般社団法人として、国民の腰痛に対する診断治療への需要と期待が増大する中、極めて重要な学会の一つとして機能しています。本学会の構造をさらに盤石なものとするためには、会員の増加が重要な課題です。現時点では、会員数は1000人弱ですが、2000人を目標にしています。腰痛は大多数の日本人が経験する最も多い症状の一つですが、その病態は複雑であり、病態に即した治療を行うことは容易ではありません。腰痛の病態解明に科学的に取り組んで行くことが、日本腰痛学会に課せられた最も大きな事項と考えております。そのためには、多職種の方々に会員になって頂き、それぞれの立場で研究し連携してエビデンスを出していくことが鍵と考えております。
 国民の健康増進のため、皆様のご支援をお願いして、私の挨拶とさせていただきます。

平成31年4月3日
日本腰痛学会理事長
紺野愼一